会社設立を人に頼むといくらか|司法書士の平均は107,887円、代行サービスは40,000円から
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設立の手続きを自分でやれば専門家への報酬は0円です。ただし自分の時間は0円ではありません。頼んだ場合の金額は、業界団体が実施した報酬統計と、各社が公表している料金表から分かります。司法書士に設立登記の代理まで頼んだ場合の全国平均は107,887円(税込)。設立サービスの代行オプションは40,000円から50,000円です。この差が何に対する金額なのかを見ます。
士業に頼んだ場合の実額
司法書士と行政書士は、それぞれの連合会が数年に一度、会員への報酬アンケートを実施して結果を公表しています。会社設立はどちらにも項目があります。
| 資格 | 調査 | 回答数 | 平均 | 設問の前提 |
|---|---|---|---|---|
| 司法書士 | 報酬アンケート令和6年3月実施 | 932 | 107,887円 | 発起人2名・資本金500万円の株式会社の発起設立。全書類の作成に加え、定款認証手続と登記申請の代理まで。 |
| 行政書士 | 報酬額統計調査令和8年1月実施 | 287 | 106,371円 | 「会社設立手続」という項目。最小7,000円、最大550,000円、最も多い回答は110,000円(47件)。 |
司法書士の回答は10万円台が207名で最も多く、次が11万円台の128名、8万円台の125名です。5万円台までは19名しかいません。平均107,887円は、この分布の形をそのまま反映した数字です。
司法書士の報酬アンケートで地区別の平均や、低額者10%・高額者10%の平均を載せていたのは平成30年版です。最新の令和6年3月版は全国の平均と分布のグラフだけで、地区別の表がありません。地域別の金額を引用しているページを見たら、どの版を引いているかを確かめてください。
日本行政書士会連合会の統計にある項目は「会社設立手続」で、定款作成に限定した項目はありません。電子定款の作成代行だけを頼んだときの公的な相場は示せません。各事務所の提示額を個別に見るしかありません。
設立サービス3社の代行料
freee・マネーフォワード・弥生は、書類を作るところまでを無料で提供し、公証役場と法務局への代理を別料金のオプションにしています。
| サービス | 書類作成 | 電子定款 | 登記の代理 | 代理するのは誰か | 顧問契約の義務 |
|---|---|---|---|---|---|
| 最安マネーフォワードクラウド会社設立 | 0円 | 5,000円税込/有料プラン契約で0円 | 40,000円税込 | 司法書士(利用者と司法書士の直接契約・直接支払い) | 電子定款を0円にするにはMFクラウドの有料プラン契約 |
| freee会社設立 | 0円 | 5,000円税込・税抜の別は記載なし/freee会計の年間契約で0円 | 50,000円税込 | 提携司法書士(報酬は司法書士に直接帰属) | なし(公式に「税務顧問などの契約義務は一切なし」) |
| 弥生起業・開業ナビ | 0円 | 5,000円/5,500円公式内で表記が分かれる | 50,000円税抜。税込額の記載なし | 「提携する専門家」とのみ記載。司法書士か行政書士かは不明 | 電子定款を0円にするには弥生会計 Nextの年契約 |
商品ページには「5,000円」、FAQサイトには「オンライン申請のシステム利用料5,500円(税込)」と書かれています。どちらが税込でどちらが税抜なのかも明示されていません。申し込む前に、どちらの金額が請求されるかを確認してください。
マネーフォワードの登記代行プランは、紙の定款を選ぶよう案内しています。紙の定款には印紙税40,000円がかかります(印紙税法別表第一第6号)。代行料40,000円が安く見えても、印紙代が乗ると合計は変わります。オンラインの設立サービスを使えば必ず電子定款になる、というわけではありません。
自分でやる場合との総額の差
株式会社・資本金300万円未満・発起人は自然人1〜3名(定款認証が15,000円になる条件に当てはまる場合)で揃えています。
| 項目 | 自分で全部やる | サービスで書類を作る | 登記まで代理してもらう |
|---|---|---|---|
| 定款の印紙/作成手数料 | 40,000円紙の定款の場合。電子定款を自作すれば0円だが機器とソフトが要る | 5,000円会計ソフトの年契約で0円 | 0円報酬に含む |
| 定款認証(公証人) | 15,000円+謄本約2,000円 | 同left | 同left |
| 登録免許税 | 150,000円 | 150,000円 | 150,000円 |
| 専門家報酬 | 0円 | 0円 | 40,000〜50,000円個別の司法書士なら平均107,887円 |
| 公証役場へ行く | 本人 | 本人 | 代理2024年3月からウェブ会議が原則 |
| 法務局へ申請する | 本人 | 本人弥生はオンラインで本人が申請可 | 代理 |
| 登記申請までの日数各社の公式記載 | 約3週間マネーフォワードの記載 | 1〜3週間freee 2週間/弥生 1〜3週間 | 約2週間 |
| 登記が完了するまで申請の後。法務局の処理 | 13〜39日 | 13〜39日 | 13〜39日 |
専門家に頼んでも、法務局が登記を処理する日数は変わりません。短くなるのは、書類を揃えて申請するまでの期間です。
登記を申請できるのは誰か
会社設立の登記申請を他人の代理として業として行えるのは、司法書士だけです(司法書士法第3条第1項第1号、第73条)。定款の作成代理は行政書士の業務に含まれます。
- freeeとマネーフォワードは、登記の代理を提携する司法書士が行うと明記しています。報酬も利用者から司法書士へ直接支払う形です。
- freeeの電子定款作成は、行政書士との委任契約によると公式に書かれています。
- 弥生の設立お任せサービスは「弥生が提携する専門家」としか書かれておらず、司法書士か行政書士かは公式ページから読み取れません。
誰が何をするかを確認する意味は、料金の安さではなく、責任の所在がどこにあるかにあります。登記に不備があった場合の相手が、サービス提供会社なのか、契約した士業なのかが変わります。
「設立費用0円」の中身
各社が掲げる0円は、サービスの利用料と電子定款代行料を指します。国に払う費用は0円になりません。
- 0円になるもの
- 設立サービスの利用料。加えて、会計ソフトの年間契約を結べば電子定款の代行料5,000円分を各社が負担します。
- 0円にならないもの
- 定款認証手数料(15,000円〜50,000円)、謄本代(約2,000円)、登録免許税(株式会社150,000円・合同会社60,000円)。合計で合同会社60,000円、株式会社は約167,000円からです。
- 0円の代わりに発生する契約
- freee会計、MFクラウド、弥生会計 Nextのいずれかの年間契約。会計ソフトの年額は3社とも29,760円から35,760円です(会計ソフトの比較)。会計ソフトはどのみち要るので、この条件が不利とは限りません。
- 顧問契約を求められるか
- freeeは「税務顧問などの契約義務は一切なし」と公式に書いています。税理士事務所が行う「設立費用無料」は顧問契約とセットのことがありますが、これは各事務所の商慣行で、業界団体が公表した基準や統計はありません。
目的別の選び方
費用を最優先する
自分でやる+電子定款は設立サービスを使う
専門家報酬0円、電子定款代行5,000円(会計ソフトを年契約するなら0円)。法定費用だけで済みます。公証役場と法務局へ自分で行く時間と、書類の不備で往復するリスクを引き受けることになります。マネーフォワード クラウド会社設立広告/弥生の起業・開業ナビ広告
公証役場と法務局に行く時間を消したい
マネーフォワードの登記代行 40,000円(税込)
公表されている代行料では最も安く、司法書士が定款認証から登記申請まで代理します。ただし紙の定款を案内されるため、印紙税40,000円が加わる場合があります。合計で比べてください。
会計ソフトの契約をしたくない
freeeの登記おまかせ 50,000円(税込)
公式に「税務顧問などの契約義務は一切なし」と書かれている唯一のサービスです。住所非表示措置の申出(20,000円)など、加算オプションの金額も一覧で公開されています。
設立時に決める内容そのものを相談したい
司法書士に直接依頼する(平均107,887円)
株式の設計、種類株式、創業者が複数いる場合の持株比率など、書類を作る前の設計に踏み込む場合です。設立サービスの代行は、決まった内容を書類にして申請する部分を担います。設計の相談は含まれません。資本金と株式の設計で何が論点になるかを書いています。
設立サービスとして並べられていることがありますが、公式サイトの対応範囲は設立後の変更登記(本店移転、役員変更、募集株式の発行など)で、設立登記は含まれていません。設立が終わったあとの変更登記を自分で申請するためのサービスです。
出典
- 日本司法書士会連合会「司法書士の報酬アンケート結果」(令和6年3月実施・全国932件の有効回答、金額は消費税込み) ― https://www.shiho-shoshi.or.jp/about/remuneration/(2026年9月22日確認)
- 日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」(令和8年1月実施。行政書士法第10条の2第2項に基づく5年ごとの調査。金額は消費税込み、立替金を含まない) ― https://www.gyosei.or.jp/about/disclosure/reward(2026年9月22日確認)
- freee会社設立/登記おまかせプラン ― https://www.freee.co.jp/launch/(2026年9月22日確認)
- マネーフォワード クラウド会社設立/登記代行プラン ― https://biz.moneyforward.com/establish/(2026年9月22日確認)
- 弥生 起業・開業ナビ/設立お任せサービス ― https://www.yayoi-kk.co.jp/kigyo/setsuritsu/(2026年9月22日確認)
- 東京法務局「登記完了予定日」 ― https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/category_00019.html(2026年9月22日確認)
- 日本公証人連合会「ウェブ会議による定款認証」(2024年3月1日から原則) ― https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q115(2026年9月22日確認)
- 司法書士法第3条第1項第1号・第73条(登記申請の代理を業として行える者)