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最終更新 2026/11/05 掲載サービス 16件(バーチャルオフィス11件(比較10社+京都の0円1件)・会計ソフト3件・銀行2件) 料金確認日 09/21〜10/10 更新履歴

会社の住所に自宅を使うと、あとで何が起きるか

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法人を設立するとき、本店所在地は定款を作る前に決めなければいけません。自宅にすれば費用はゼロ。ただし登記した住所は、自分が思っているよりずっと広く公開されます。何が公開され、誰が見られて、あとで変えるのにいくらかかるのかを書きます。

結論から
  1. 本店を自宅にすれば費用はゼロだが、登記した住所は思うより広く公開される。公開される経路は3つ。
  2. 本店をバーチャルオフィスにしても、代表取締役個人の住所は本店とは別に登記される。
  3. あとから住所を移すには変更登記が必要で、登録免許税が1件30,000円(管轄が変わると60,000円)。定款に本店を番地まで書いていると、株主総会の特別決議も要る。

制度の根拠を2026年9月22日に確認/法令・公的サイトの記載に基づく

訂正(2026年9月22日)

この記事は当初、「自宅で登記すると住所が公開されるので、借りた住所にすれば避けられる」という前提で書いていました。これは不正確です。

本店所在地とは別に、代表取締役の氏名と住所も登記事項です(会社法第911条第3項第14号)。バーチャルオフィスを本店にしても、代表者個人の住所(多くの場合は自宅)は登記簿に記録され、誰でも取得できます。住所を出したくないという理由だけで住所を借りても、目的は達成されません。

対応する制度は、下の「代表者個人の住所を隠す方法」に書いています。

バーチャルオフィスにしても、代表者個人の住所は登記される

登記簿に載る住所は1つではありません。

本店所在場所
会社法第911条第3項第3号。バーチャルオフィスの住所にできる
代表取締役の住所
会社法第911条第3項第14号。本店とは別個の登記事項で、個人の住所を書く

どちらも商業登記法第10条により誰でも取得できます。本店をバーチャルオフィスにしても、代表取締役として登記される個人の住所は残ります。

代表者個人の住所を隠す方法

代表取締役等住所非表示措置(商業登記規則第31条の3)があります。令和6年10月1日から利用できます。

効果
登記事項証明書・登記事項要約書に、代表取締役等の住所は行政区画までしか記載されません(「東京都新宿区」など。番地以下が出ない)
申出のタイミング
設立登記に限りません。商業登記規則第31条の3第1項は、設立登記のほか、管轄外への本店移転の新所在地における登記、代表取締役の就任(重任を含む)または住所変更による変更の登記、清算人の登記と同時に申し出られると定めています。ほかに、本店を他の登記所の管轄へ移転した場合の新所在地における登記、代表取締役等の就任・住所変更の登記のとき。設立時に逃すと、次の機会は限られます
必要な書面
(上場会社以外)
①資格者代理人が本店の実在を確認した書面、または会社宛の配達証明郵便が本店所在場所に配達されたことを証する書面 ②代表取締役等の住民票等 ③資格者代理人による実質的支配者の確認書面(商業登記規則第31条の3第1号イ〜ハ)
対象
株式会社のみ。合同会社の代表社員には制度がありません
注意
措置を受けると、金融機関の融資審査や不動産取引で支障が生じることがあると法務省が注意喚起しています
バーチャルオフィスを使う場合の確認事項

上の①で「配達証明郵便」を選ぶ場合、会社宛の配達証明郵便をそのバーチャルオフィスが受け取れるかを、契約前に確認してください。配達証明・本人限定受取・書留を取り扱わない事業者があります。比較記事の郵便の欄はこの観点をまだ含んでいません。

また、住所を出したくないことが主な動機なら、株式会社を選ぶ必要があります。合同会社にはこの制度がありません。設立費用は合同会社のほうが安いですが、この一点で選択が変わります。

登記した住所が公開される3つの経路

本店所在地は、申請した人と取引先だけが知る情報ではありません。制度上、誰でも見られるように作られています。経路は3つあります。

登記事項証明書は誰でも取れる

商業登記簿の謄本(履歴事項全部証明書)は、その会社と何の関係もない第三者でも、手数料を払えば取得できます。商業登記法で「何人も」請求できると定められているためです。オンラインなら数百円、即日。会社名さえ分かれば、本店所在地は誰でも入手できると考えてください。

国税庁の法人番号公表サイトに載る

法人番号が指定されると、商号・本店所在地・法人番号が国税庁のサイトで公表されます。これは申請でも任意でもなく、法人番号法に基づく自動的な公表です。検索フォームから会社名で引けますし、全件のデータがCSVでダウンロードできる形でも配布されています。

民間の企業データベースに転載される

全件のデータが公開されているため、それを取り込んだ民間の企業情報サイトが出てきます。実際、会社名で検索すると公式サイトより先に企業データベースのページが出てくることがよくあります。そこに載っている住所は、登記した住所そのものです。一度出てしまうと、元データが国税庁である以上、消すのは簡単ではありません。

特定商取引法に基づく表記に書く

ネットで商品やサービスを販売するなら、特定商取引法により事業者の氏名・住所・電話番号を表示する義務があります。自宅で登記していれば、自宅の住所をサイトに書くことになります。ここは登記の話とは別ルートですが、結果として同じ住所が公開されます。

まとめると、自宅で登記するというのは、自宅の住所を公開情報にするという判断と同じです。それが許容できるかどうかが最初の分岐点になります。

賃貸住まいの場合に起きること

賃貸物件の契約書には、多くの場合「専ら居住の用に供する」といった使用目的の条項があります。ここに法人登記が抵触するかどうかは、契約書の文言と貸主の判断によります。

ただし実務上、押さえておくべき点が2つあります。

確認の順番としては、契約書の使用目的条項を読む → 不明なら管理会社に事前に聞く、です。事後に発覚するより、事前に断られたほうが被害は小さく済みます。

あとから移すと登録免許税30,000円

「とりあえず自宅で登記して、事業が育ったら移せばいい」という考え方は成立します。ただしコストを把握したうえで選んでください。

本店移転登記にかかる登録免許税(登録免許税法別表第一)。司法書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。
ケース登録免許税内容
同じ法務局の管轄内で移転30,000円1件として課税
別の法務局の管轄へ移転60,000円旧管轄・新管轄それぞれに30,000円

これに加えて、実務上は次の手間が発生します。

登録免許税30,000円は、登記できる最安のバーチャルオフィス(METSオフィス・月716円)の約42か月分にあたります。移転の可能性が高いなら、最初から借りるほうが総額は小さくなります。

金額では戻せないもの

ただし、住所を移せば公開された情報が消えるわけではありません。登記事項証明書には過去の本店所在地が履歴として残り、法人番号公表サイトのデータを取り込んだ民間サイトも遡って修正されるとは限りません。登録免許税30,000円で変えられるのは、これから先の住所だけです。自宅住所を出したくない事情があるなら、最初から出さない以外の解決はありません。

公開されて困るかを最初に見る

自宅の住所が公開されて困るか、賃貸や管理規約で禁止されていないか、2年以内に移す可能性があるか。この順で見てください。前の2つでひとつでも引っかかれば、その時点で借りる側に倒してかまいません。3つ目だけなら、費用を比べて決めれば足ります。

自宅で登記していい条件

自宅で登記してよい
持ち家で、住所が公開されても支障がない

持ち家(かつ管理規約に用途制限がない)で、事業の性質上、住所が知られても問題がない場合。たとえば法人化した受託開発や、取引先が限られている事業。この条件なら、費用ゼロの自宅が有利です。

借りたほうがいい
賃貸住まい、または不特定多数に販売する

賃貸で使用目的の条項がある場合、ネット販売で特商法表記が必要な場合、そして家族と同居していて自分以外の生活の場でもある場合。金額より、あとから取り返しがつかない点が問題になります。

実体のある事務所が要る
許認可が必要な事業

宅地建物取引業免許は事務所の実体が要件のため、バーチャルオフィスでは取得できません。古物商や人材派遣業も、実体を求められて断られることがあります。この場合は自宅かレンタルオフィスかの二択になります。

借りると決めた場合、いくらかかるか

バーチャルオフィスを借りる場合の相場は、登記できるプランで月716円から4,700円です。ここで注意が必要なのは、各社が広告で打ち出している最安値(270円〜)のほとんどが登記に使えないプランであることです。さらに登記できる最安値のほうも、12か月一括払いを前提にした金額であることがあります。金額だけを比べると、比較の条件が二重にずれます。

登記できる最安プランで12か月使った場合の初年度総額(2026年9月22日確認)。金額はすべて税込。詳細は比較記事にまとめています。
サービス月額初年度総額備考
METSオフィス 716円
毎月払いは2,970円
12,442円 登記できるプランの月額が最安(12か月一括の場合)。自社ビル直営
バーチャルオフィス1 880円 16,060円 月払いでも880円。一括払いを前提にしない価格では最安
レゾナンス 990円 17,380円 浜松町・青山・銀座など都内一等地に14拠点
GMOオフィスサポート 1,650円 19,800円 入会金も保証金も0円。東京14か所を含む全国23拠点
NAWABARI 1,650円
毎月払いは3,300円
19,800円入会金は記載がないため含めず ビジネスプランは1か月から契約できる
ユナイテッドオフィス 2,310円
毎月払いは3,850円
33,220円 2005年からの運営で東京都内の一等地に8拠点。全プランで法人登記が無料、全拠点の会議室を1時間550円で使える
DMMバーチャルオフィス 2,530円
毎月払いは5,500円
35,860円 沖縄・仙台など他社にない拠点がある
アントレサロン 4,180円 50,160円 受付スタッフが常駐し来店での郵便受取や来客対応ができる。認定支援で会社設立時の登録免許税が半額になる(株式会社15万円→7.5万円)。初期費用・保証金・入会金は0円
Karigo 4,700円 61,900円 全国60拠点以上。地方都市の住所が要るなら選択肢が限られることがある
ワンストップビジネスセンター 4,840円
毎月払いは5,280円
68,860円 2009年設立・累計2万社超で全国50店舗。全プランで法人登記が可能で、30日間の完全返金保証がある
京都すざくスタジオ 0円 0円 住所は京都市。非営利法人が運営。0円プランの適用条件は非公開

最も安いのは月0円の選択肢ですが、住所が京都市に限られます。東京の住所が必要なら、12か月一括払いができるならMETSオフィスの月716円、毎月払いならバーチャルオフィス1の月880円。住所の選択肢を重視するならレゾナンス(14拠点)、続けるか分からない段階なら入会金・保証金が0円のGMOオフィスサポートです。条件ごとの詳しい比較は次の記事にまとめています。

東京の住所で、1年以上続ける前提なら

レゾナンスは登記できるプランが月990円、初年度総額17,380円です。10社の中では3番目の安さで、最安はMETSオフィスの月716円です。レゾナンスを選ぶ理由は価格ではなく、拠点が都内一等地に集中していることです。

レゾナンス公式で料金を確認する広告

入会金0円キャンペーンの条件は時期によって変わります。申し込み前に公式ページで現在の条件を確認してください。

よくある質問

バーチャルオフィスにすれば自宅の住所は登記されませんか。

本店所在場所は隠せますが、代表取締役の住所は別の登記事項として残ります(会社法第911条第3項第14号)。どちらも商業登記法第10条により誰でも取得できます。代表者個人の住所については別の制度があり、代表者個人の住所を隠す方法で扱っています。

登記した住所はどこから公開されますか。

3つの経路があります。(1) 登記事項証明書は商業登記法により「何人も」請求でき、会社名さえ分かればオンラインで数百円・即日で取れます。(2) 国税庁の法人番号公表サイトに載ります。(3) そこから派生する民間データベースに転載されます。

とりあえず自宅で登記して、あとで移せばいいですか。

成立しますが、費用が出ます。本店移転の登録免許税は同一の法務局の管轄内なら30,000円、管轄が変わると60,000円です。30,000円は、登記できる最安のバーチャルオフィス約42か月分にあたります。

自宅で登記してはいけない場合はありますか。

法律で禁じられているわけではありません。ただし賃貸なら契約書の使用目的条項、分譲マンションなら管理規約に用途制限がないかを先に読んでください。公開情報になるので、気づかれない前提で設計しないことです。

ネットショップをやる場合、住所は結局公開されますか。

されます。特定商取引法第11条により、通信販売の広告には事業者の氏名・住所・電話番号を表示する義務があります。登記とは別の経路ですが、自宅で登記していれば結果として同じ住所がサイトに載ります。回避の方法は特商法表記に自宅を書かずに済ませる方法で扱っています。

まとめ

参考にしたページ

  1. 商業登記法第10条(登記事項証明書の交付請求は「何人も」可能)
  2. 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(法人番号の公表について)/国税庁 法人番号公表サイト
  3. 特定商取引に関する法律第11条(通信販売についての広告の表示事項)
  4. 登録免許税法 別表第一 第24号(一)ヲ(本店移転登記 1件につき30,000円)
  5. 各バーチャルオフィス事業者の公式サイト(2026年9月22日確認)
この記事を書いた人

株式会社Retraite(当サイト運営) ひとり法人を実際に運営している事業者です。個人名は公開していません。掲載内容は公式サイト・公式FAQ・法令の条文を確認日つきで引いて作成しています(編集方針)。

そのため、個別の税務判断や法律判断は書きません。制度の仕組み・金額・期限・手続きの順番までを、公式ページと法令だけを引いて整理しています。条文を引くときは e-Gov 法令検索の原文に当たり、条番号まで書きます。

比較記事に出てくるサービスのうち、実際に使っているのはバーチャルオフィス1社(レゾナンス)と法人口座1行だけです。使っているからといって順位を上げてはいません(レゾナンスは料金順で3位のまま)。→ 実際に使っているサービス/編集方針とデータ品質

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