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最終更新 2026/11/05 掲載サービス 16件(バーチャルオフィス11件(比較10社+京都の0円1件)・会計ソフト3件・銀行2件) 料金確認日 09/21〜10/10 更新履歴

簡易課税とは|ひとり法人・個人事業主の消費税をみなし仕入率で計算する

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簡易課税は、消費税の納税額を計算するときに、実際に支払った仕入れや経費にかかった消費税を1件ずつ集計せず、売上にかかった消費税に事業区分ごとの「みなし仕入率」を掛けた額を差し引く方法である。使えるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、事前に届け出た事業者に限られる。経理の手間が軽くなり、仕入れの少ない業種では納税額が下がることもある一方、設備投資の多い期などは不利になる。この記事では、簡易課税のしくみ、みなし仕入率、計算のしかた、一般課税との有利不利、届出の期限と2年間の継続を、消費税法と国税庁の記載をもとに整理する。

簡易課税は「みなし仕入率」で仕入れの消費税を見積もる

消費税の納税額は、原則として、売上のときに受け取った消費税から、仕入れや経費のときに支払った消費税を差し引いて計算する。この原則の方法を一般課税(本則課税)と呼び、支払った消費税を正しく差し引くには、仕入れや経費の1件ごとに金額と税額を記録し、インボイスなどの証憑をそろえる必要がある。

簡易課税は、この「支払った消費税」を実額で集計するのをやめ、売上にかかった消費税に、事業の種類ごとに決められた一定の割合を掛けて見積もる方法である。この割合をみなし仕入率という。国税庁のタックスアンサー「No.6505 簡易課税制度」は、簡易課税制度について、売上げに係る消費税額にみなし仕入率を乗じた金額を仕入れに係る消費税額とすることができる制度と説明している(消費税法第37条)。

仕入れの実額を使わないため、仕入れや経費のインボイスを集計しなくても納税額を計算できる。売上の消費税と事業区分さえ分かれば計算が完結する点が、一般課税との大きな違いになる。

使えるのは基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、事前に届け出た事業者

簡易課税は、誰でも使えるわけではない。国税庁「No.6505」は、その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下で、かつ「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出している課税事業者が対象だとしている。

基準期間とは、法人ではその事業年度の前々事業年度、個人事業者では前々年を指す。前々期の課税売上高が5,000万円を超えていると、届出を出していてもその期は簡易課税を使えず、一般課税で計算することになる。消費税を納める義務そのものがいつから生じるか(課税事業者になる判定)は新設法人の消費税はいつから払うかで整理している。

届出を出していない事業者は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下でも簡易課税を使えない。何もしなければ一般課税になる、という順序である。

事業区分ごとのみなし仕入率

みなし仕入率は、事業を6つの区分に分けて定められている。国税庁「No.6509 簡易課税制度の事業区分」は、第1種から第6種までの事業区分と、それぞれのみなし仕入率を次のように示している。

事業区分主な事業みなし仕入率
第1種事業卸売業(買った商品を形を変えずに事業者へ販売)90%
第2種事業小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡)80%
第3種事業製造業、建設業、鉱業、電気・ガス・水道業など70%
第4種事業飲食店業など、ほかの区分に入らない事業60%
第5種事業サービス業、運輸通信業、金融・保険業50%
第6種事業不動産業40%

ひとり法人や個人事業主に多いIT・コンサルティング・デザインなどのサービス業は、多くが第5種事業に当たり、みなし仕入率は50%になる。物を仕入れて売るのではなく自分の役務で稼ぐ業種は、もともと仕入れが少ないため、みなし仕入率で見積もる控除のほうが実際の仕入れより大きくなることがある。

どの区分に当たるかは事業の実態で判断され、国税庁「No.6509」はおおむね日本標準産業分類を基礎に区分すると案内している。1つの事業者が複数の種類の売上を持つ場合は、売上を区分ごとに分けて、それぞれのみなし仕入率で計算する。区分の判断に迷うときは、税理士に相談する方法もある。

計算のしかたと具体例

簡易課税の納税額は、売上にかかった消費税から、その消費税にみなし仕入率を掛けた額を差し引いて求める。式にすると、納税額は「売上の消費税 − 売上の消費税 × みなし仕入率」になる。

たとえば、サービス業(第5種・みなし仕入率50%)で、1年間の課税売上が税抜600万円、受け取った消費税が60万円だったとする。簡易課税では、差し引ける仕入れの消費税を60万円×50%=30万円と見積もる。納める消費税は60万円−30万円=30万円になる。この計算に、実際に支払った経費のインボイスは使わない。

同じ売上を一般課税で計算すると、その年に実際に仕入れや経費で支払った消費税を集計して差し引く。経費が少なく、支払った消費税が18万円だったなら、納税額は60万円−18万円=42万円になり、簡易課税の30万円のほうが少ない。逆に、設備や外注が多く、支払った消費税が40万円だったなら、一般課税の納税額は20万円で、こちらのほうが少なくなる。

一般課税と簡易課税のどちらが有利か

有利かどうかは、実際に支払う仕入れ・経費の消費税が、みなし仕入率で見積もる額より多いか少ないかで決まる。みなし仕入率で見積もった控除より実際の仕入れの消費税が少ない事業者は、簡易課税のほうが納税額を抑えられる。反対に、仕入れや設備投資が多く、実際に払う消費税が大きい事業者は、一般課税で実額を差し引いたほうが有利になりやすい。

サービス業のように仕入れの少ない業種は簡易課税が向くことが多く、物販や製造、建設のように仕入れ・外注・設備が大きい業種は一般課税が向くことがある。ただし、同じ業種でもその年に何を買うかで逆転するため、自分の売上と経費の見込みで試算して確かめることになる。売上の消費税と経費の集計は会計ソフトで扱えるため、どちらの方法が納税額を抑えられるかを会計ソフトの上で比べる使い方もできる。

簡易課税には、経理の手間が軽くなるという別の利点もある。仕入れ・経費のインボイスを1件ずつ区分して集計しなくても、売上の消費税と事業区分で計算できるため、ひとりで記帳する事業者には実務の負担が小さい。納税額の損得と事務の手間の両方を見て選ぶことになる。

届出の期限と、いったん選ぶと2年続くこと

簡易課税を使うには、使いたい課税期間が始まる前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署へ提出しておく必要がある。国税庁「No.6505」は、この届出書を提出した課税期間の翌課税期間から簡易課税が適用されるとし、提出期限を、適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(=その前の課税期間の末日まで)としている。期の途中で思い立っても、その期にさかのぼって適用することはできない。

いったん簡易課税を選ぶと、すぐにはやめられない。国税庁「No.6505」は、簡易課税の効力が生じた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、やめるための「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できない(事業を廃止した場合を除く)としている。つまり、原則として2年間は簡易課税を続けることになる。2年のあいだに大きな設備投資を予定していると、一般課税なら差し引けたはずの消費税を差し引けず、不利になることがある。

設立したばかりの法人や、新たに開業した個人事業者が、その最初の課税期間から簡易課税を使いたい場合は、課税期間の初日の前日という原則の期限に間に合わない。この場合には、事業を開始した課税期間などに関する提出期限の特例が定められている(消費税法施行令第56条第1項)。自分がこの特例に当たるかと、提出の期限は、所轄の税務署や国税庁の案内で確かめる。設立の初年度を長く取るかどうかは決算月の決め方とも関わる。

使う前に確かめること

届出を出していても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた課税期間は簡易課税を使えず、その期は一般課税になる。売上が伸びて5,000万円を超える見込みがあるときは、どの期から一般課税に戻るかを確かめておく。

課税事業者になるかどうかそのものは、簡易課税とは別の判断である。免税事業者が取引先の求めでインボイス発行事業者に登録して課税事業者になる場合、その住所の扱いはインボイスの住所にバーチャルオフィスは使えるかで整理している。なお、免税事業者からインボイス登録で課税事業者になった人向けには、別に負担を軽くする経過措置(いわゆる2割特例)も設けられているが、こちらは適用できる期間が限られている。簡易課税は、その期間に関わらず使える制度である点が違う。どの方法を使えるか、どれが有利かは、自分の売上と事業区分で変わる。

個人のままか法人にするかで消費税の納め方の節目も変わるため、法人化そのものを検討している場合は法人化するタイミングとあわせて見ておくとよい。

よくある質問

簡易課税は誰でも使えますか。

使えるのは、基準期間(法人は前々事業年度、個人は前々年)の課税売上高が5,000万円以下で、かつ事前に消費税簡易課税制度選択届出書を提出した課税事業者に限られる。届出を出していない場合や、基準期間の課税売上高が5,000万円を超える期間は、簡易課税を使えず一般課税になる。

みなし仕入率は何で決まりますか。

事業の種類で決まる。卸売業が90%、小売業などが80%、製造業・建設業などが70%、飲食店業などが60%、サービス業・運輸通信業・金融保険業が50%、不動産業が40%である(国税庁No.6509)。ひとり法人や個人事業主に多いIT・コンサルティングなどのサービス業は、多くが第5種事業で50%になる。

一般課税と簡易課税はどちらが得ですか。

実際に支払う仕入れ・経費の消費税が、みなし仕入率で見積もる控除より少ない事業者は、簡易課税のほうが納税額を抑えられる。仕入れや設備投資が多い事業者は、実額を差し引ける一般課税が有利になりやすい。業種だけでなくその年に何を買うかでも変わるため、売上と経費の見込みで試算して確かめる。

簡易課税はいつまでに届け出ればよいですか。

適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(その前の課税期間の末日まで)に、消費税簡易課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署へ提出する。期の途中で届け出ても、その期にさかのぼって適用することはできない。設立・開業の初年度から使いたい場合は提出期限の特例があるため、所轄の税務署で確かめる。

簡易課税を選ぶとやめられなくなりますか。

すぐにはやめられない。簡易課税の効力が生じた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、やめる届出を提出できない(事業を廃止した場合を除く。国税庁No.6505)。原則として2年間は続けることになるため、その間に大きな設備投資を予定しているときは、選ぶ前に有利不利を確かめる。

この記事を書いた人

株式会社Retraite(当サイト運営) ひとり法人を実際に運営している事業者です。個人名は公開していません。掲載内容は公式サイト・公式FAQ・法令の条文を確認日つきで引いて作成しています(編集方針)。

そのため、個別の税務判断や法律判断は書きません。制度の仕組み・金額・期限・手続きの順番までを、公式ページと法令だけを引いて整理しています。条文を引くときは e-Gov 法令検索の原文に当たり、条番号まで書きます。

比較記事に出てくるサービスのうち、実際に使っているのはバーチャルオフィス1社(レゾナンス)と法人口座1行だけです。使っているからといって順位を上げてはいません(レゾナンスは料金順で3位のまま)。→ 実際に使っているサービス/編集方針とデータ品質

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