決算月の決め方|会社の事業年度はいつにすべきか
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会社の決算月は、3月に合わせなければならないわけではなく、会社が自由に決められる。事業年度をいつからいつまでにするかで、消費税の免税を受けられる期間や、決算の事務が重なる時期、納税の資金が要る時期が変わる。この記事では、決算月を決めるときに見る観点と、あとから変更する手続きを整理する。
決算月は会社が自由に決められる(3月でなくてよい)
会社の事業年度(決算期)は、定款などで会社が自由に定められる。3月決算にしなければならないという法律上の決まりはなく、どの月を決算月にしてもよい。法人税法は事業年度を、法令または定款などに定める会計期間としており、その会計期間は1年を超えることができない。多くの会社は1年を1期として、決算月の末日で区切っている。
決算期は、資本金や株式と同じく、定款を作る前に決めておく項目である。設立前に決めることの全体は会社設立に必要なもの一覧、資本金や株式とあわせた決め方は資本金・株式・決算期をいくつにするかで扱っている。
設立1期目を長く取ると、消費税の免税期間を活かせることがある
設立したばかりの会社には、消費税を納めるかどうかの判定のもとになる前々事業年度(基準期間)がない。そのため、資本金などの要件を満たせば、設立1期目は原則として消費税の免税事業者になりうる。設立の日は選べないが、決算月をどの月にするかで1期目の長さが決まる。設立日から遠い月末を決算月にすると、1期目を1年近くまで長く取れ、免税の期間を活かせることがある。
ただし、これにはいくつかの例外がある。資本金が一定額以上の会社や、特定新規設立法人に当たる会社は、1期目から消費税の課税事業者になる。前事業年度の前半(特定期間)の課税売上高や給与の支払額が基準を超えると、2期目から課税事業者になる。2社目以降の設立で変わる点は2社目を作るときに変わることにまとめている。また、インボイス(適格請求書)を発行するために適格請求書発行事業者として登録する場合は、自ら課税事業者を選ぶことになるため、この免税は当てはまらない。登録の要否は会計ソフトとインボイスとあわせて見ておきたい。
繁忙期・棚卸し・納税資金から考える
決算と申告の事務は、決算月のあとに集中する。事業の繁忙期と決算月を重ねると、本業が忙しい時期に決算の作業が重なる。繁忙期を外した月を決算月にしておくと、両方がぶつからずに済む。
在庫を持つ業種では、決算月の末日に棚卸しをする。在庫が少ない月を決算月にすると、棚卸しの手間が軽くなる。
法人税などの申告と納付は、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内に行う。決算月の2か月後には納税の資金が必要になるため、資金に余裕のある時期から逆算して決算月を選ぶ考え方もある。決算そのものの流れは法人の決算は自分でできるかで扱っている。
決算月はあとから変更できる(登記は要らない)
決算月(事業年度)は、設立後に変更することもできる。変更には、定款を変更する株主総会の決議と、税務署・都道府県・市区町村への異動届出が必要になる。事業年度は登記する事項ではないため、変更に登記や登録免許税はかからない。
ただし、決算月を変更した期は、1年に満たない変則的な期になり、その期についての決算と申告が必要になる。最初に決めた決算月で続けるほうが事務は少ないため、設立前に決めておくのが基本である。
| 見る観点 | どう考えるか |
|---|---|
| 消費税の免税 | 設立1期目を長く取ると免税の期間を活かせることがある(資本金・特定期間・インボイス登録で変わる) |
| 繁忙期 | 本業の繁忙期と、決算・申告の事務が重ならない月にする |
| 棚卸し | 在庫が少ない月の末日を決算月にすると手間が軽い |
| 納税の資金 | 決算月の2か月後に納税があるため、資金に余裕のある時期から選ぶ |
資本金や設立の日程とあわせて決める
決算月は、それ単体ではなく、資本金や設立の日程とあわせて決めると決めやすい。資本金の額は消費税の免税や設立前に決める項目と関わるため資本金・株式・決算期をいくつにするかで、設立日から登記完了までの日程は会社設立の手順と日程で確認できる。
そもそも法人にするかどうかを迷っている段階なら、個人事業主とひとり法人、手取りの損益分岐で見込みの利益から判断するとよい。登記に使う住所を自宅にしたくない場合は、バーチャルオフィス比較で登記できる住所の料金を確認できる。
よくある質問
決算月は3月にしないといけませんか。
そうではない。会社の事業年度(決算期)は定款などで自由に定められ、3月に合わせる法律上の決まりはない。どの月を決算月にしてもよい。
設立1期目はどのくらいの長さにできますか。
事業年度は1年を超えられないため、1期目は最長でも1年近くになる。設立日から遠い月末を決算月にすると1期目を長く取れ、消費税の免税の期間を活かせることがある。ただし資本金や特定期間、インボイスの登録によって課税事業者になる場合があり、一概には言えない。
決算月はあとから変えられますか。
変えられる。定款を変更する株主総会の決議と、税務署などへの異動届出が必要になる。事業年度は登記事項ではないため、変更に登記や登録免許税はかからない。
決算のあと、いつまでに納税しますか。
法人税などの申告と納付は、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内に行う。決算月の2か月後に納税の資金が必要になる。
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