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最終更新 2026/11/05 掲載サービス 16件(バーチャルオフィス11件(比較10社+京都の0円1件)・会計ソフト3件・銀行2件) 料金確認日 09/21〜10/10 更新履歴

2社目・3社目を作るときに変わること|1社目と同じ手順では通らない7か所

2社目の設立は、手続きの流れそのものは1社目と同じです。変わるのは、1社目の存在が2社目の判定に影響する部分です。同じ住所に同じ商号は登記できず、1社目の課税売上高によっては2社目が最初から消費税の課税事業者になります。両社から役員報酬を取ると10日以内の届出が要ります。1社目では出てこなかった論点を順に見ます。

結論から
  1. 2社目も設立の流れは1社目と同じ。変わるのは、1社目の存在が2社目の判定に効く部分。
  2. 同じ住所に同じ商号は登記できない。バーチャルオフィスは1つの住所に多数の会社が登記されているため、ありふれた商号ほど当たりやすい。契約前に商号を調べる。
  3. 1社目の課税売上高しだいで、2社目が設立初年度から消費税の課税事業者になる。両社から役員報酬を取るなら、10日以内に二以上事業所勤務届。

商業登記法・消費税法・健康保険法施行規則・厚生年金保険法施行規則の記載を2026年9月22日に確認/個別の判定は税理士・社会保険労務士に確認してください

同じバーチャルオフィスに2社を登記した実例

1社目と同じ住所を2社目にも使えるかは、法律の問題と事業者の契約条件の問題に分かれます。法律上は、商号が重ならなければ同一住所に複数の会社を登記できます。契約上どうなるかは事業者ごとに違い、10社の公式サイトには1契約で複数法人を登記できるかの記載が見当たりませんでした。

運営者自身の2社での実例

当サイトの運営者が関与する法人2社は、同じバーチャルオフィス(レゾナンス)の住所で登記し、同じ銀行(ドコモSMTBネット銀行)で2社とも法人口座を開設しています。母数は2件で、運営者が関与する法人に限られます。統計ではありません。

言えるのは「同一住所での2社登記と、その住所での2社の口座開設が、少なくとも成立した例がある」ところまでです。追加料金の有無や、どの拠点だったかはサイト概要に書いています。2社目の契約前に、事業者へ直接確認してください。

同じ住所に同じ商号は登記できない

商業登記法第27条は、商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ本店の所在場所が同一であるときは登記できないと定めています。

1社目と同じバーチャルオフィスの住所を2社目にも使う場合、その住所に既に登記されている会社の商号と重ならないかを先に調べる必要があります。バーチャルオフィスは1つの住所に多数の会社が登記されているため、ありふれた商号ほど当たる可能性が上がります。

分かるのは、定款認証と印紙代を払った後になる

商号の重複は法務局の審査で判明します。その時点では定款の認証手数料(15,000円〜50,000円)を払い終えています。定款に商号が書かれている以上、商号を変えるなら定款の作り直しです。調べるのは定款を作る前です。

調べ方

  1. 管轄の法務局の窓口にある商号調査簿で確認する。無料です。
  2. 登記情報提供サービス(一般財団法人民事法務協会)で、住所を指定して登記情報を請求する。有料です。
  3. 国税庁の法人番号公表サイトで、所在地から法人を検索する。無料で、同じ住所に登記されている法人の一覧が出ます。

3の法人番号公表サイトは、住所で検索できるためそのバーチャルオフィスに何社が登記されているかも分かります。契約前に見ておくと、住所の実態が推測できます。

同じ住所に複数社が登記されることを、公式に認めている事業者は2社だけ

10社の公式サイトを確認したところ、同一住所に複数の会社が登記される点に触れているのはDMMバーチャルオフィスと NAWABARI の2社でした。DMMバーチャルオフィスは「同住所に複数社が登記するため可能性が0ではないことをご理解ください」と書いています。そのほかの社は言及がありません。登記されている社数を公表している事業者は1社もありませんでした。

1社目の売上で、2社目が最初から課税事業者になる

資本金1,000万円未満で新しく作った法人は、基準期間がないため1期目・2期目の消費税が免除される場合があります(消費税法第9条第1項、第12条の2)。ただし特定新規設立法人に当たると、この免除が適用されません(同法第12条の3)。

特定要件
他の者により、新規設立法人の発行済株式の50%超を直接または間接に保有されていること。自分が1社目の株式を持ち、2社目の株式も持っている場合が典型です。
金額の要件
判定の基礎となった者(自分)や、その者と特殊な関係にある法人(1社目)のいずれかについて、基準期間に相当する期間の課税売上高が5億円を超える場合、または総収入金額が50億円を超える場合。
当たるとどうなるか
2社目は設立1期目から消費税の納税義務があります。資本金を1,000万円未満にしても免税になりません。

ひとり法人の規模では5億円・50億円の基準に届かないことが多く、実際に当たるのは限られた場合です。ただし判定そのものは1社目の数字を見に行くため、2社目だけを見ていても答えが出ません。資本金1,000万円未満でも、免税にならない場合があります。

インボイス登録をするなら、免税の議論はほぼ消える

取引先が課税事業者で、適格請求書の発行を求められる場合、適格請求書発行事業者に登録することになります。登録すると免税事業者ではいられません。B2Bが中心なら、免税期間を狙う前提が成立しないことがあります。2割特例(小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置)にも期限があり、令和8年9月30日を含む課税期間までです。

2社から報酬を取ると10日以内の届出

両社の役員を兼ね、それぞれから報酬を受けると、どちらの年金事務所を選ぶかを届け出ます。

届出の名称
健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届
期限
二以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内(健康保険法施行規則第2条、厚生年金保険法施行規則第1条第2項)
標準報酬月額
両社の報酬を合算して決定されます。片方だけで等級が決まるのではありません。
保険料の負担
合算で決まった保険料を、各社の報酬額の割合で按分し、それぞれの会社が負担します。
窓口
選択した事業所を管轄する年金事務所が、以後の手続きの窓口になります。

報酬を合算するため、2社に分けても社会保険料の総額は下がりません。報酬月30万円を2社で分けても、合算30万円として計算されます(年1,034,640円)。社会保険料の計算に金額を載せています。

役員報酬を2社に分ける場合の期限

役員報酬は各社それぞれで、その会社の事業年度開始の日から3か月以内に決めます(法人税法施行令第69条第1項第1号イ)。決算期が違えば期限も別々です。

決算期をずらす

2社の決算期を同じにすると、決算・申告・年末調整が同じ時期に重なります。ずらす理由はいくつかあります。

事業年度は定款の記載事項です。あとから変えるには定款変更(株主総会の特別決議)が必要で、税務署・都道府県・市区町村への異動届出も出します。登記事項ではないため変更登記は要りません。

1社目の登記簿に、代表者の住所が残る

代表取締役等住所非表示措置(商業登記規則第31条の3、令和6年10月1日から)を使うと、登記事項証明書に代表取締役の住所の一部が記載されなくなります。ただし申出は設立登記に限りません。商業登記規則第31条の3第1項は、設立登記のほか、管轄外への本店移転の新所在地における登記、代表取締役の就任(重任を含む)または住所変更による変更の登記、清算人の登記と同時に申し出られると定めています。

2社目でこの措置を使っても、1社目の登記簿には代表取締役の住所がそのまま残っています。会社名や代表者名で検索すれば1社目に辿り着けるため、2社目だけを隠しても効果は限られます。1社目は、次に代表取締役の重任登記や住所変更の登記をするときに、あわせて申し出られます。

住所を出さない前提なら、1社目から手を打つ

この制度は株式会社にしかありません。合同会社では使えません。また金融機関の融資審査や不動産取引で支障が生じることがあると法務省が注意喚起しています。会社の住所のページに条件をまとめています。

事業目的の重複

2社の事業目的が重なること自体は登記の障害になりません。ただし実務上の影響があります。

よくある質問

同じバーチャルオフィスの住所に2社を登記できますか。

法律上は、商号が重ならなければできます。商業登記法第27条が禁じているのは本店の所在場所が同一で、かつ商号も同一の場合だけです。契約上どうなるかは事業者ごとに違い、10社の公式サイトには1契約で複数の法人を登記できるかの記載が見当たりませんでした。当サイトの運営者が関与する2社は、同じバーチャルオフィスの住所で登記しています。

同じ住所に同じ商号があるかはどう調べますか。

3つあります。(1) 管轄の法務局の窓口にある商号調査簿(無料)、(2) 登記情報提供サービスで住所を指定して請求(有料)、(3) 国税庁の法人番号公表サイトで所在地から検索(無料)。3つめは同じ住所に登記されている法人の一覧が出るので、定款を作る前に見てください。

2社目も設立から2期は消費税が免除されますか。

条件次第です。資本金1,000万円未満の新設法人は基準期間がないため免除される場合がありますが、特定新規設立法人に当たると適用されません(消費税法第12条の3)。発行済株式の50%超を保有される関係にあり、かつ判定対象者の課税売上高が5億円を超えるなどの場合です。1社目の規模によって、2社目が1期目から課税事業者になります。

2社から役員報酬を取るとどうなりますか。

二以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を出します(健康保険法施行規則第2条、厚生年金保険法施行規則第1条第2項)。標準報酬月額は両社の報酬を合算して決まり、保険料は報酬額の割合で各社に按分されます。

2社の決算期は同じにしてもいいですか。

できますが、決算・申告・年末調整が同じ時期に重なります。ずらすと作業と納税の時期が分散します。事業年度は定款の記載事項なので、あとから変えるには定款変更が要ります。

まとめ

参考にしたページ

  1. 商業登記法第27条(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止) ― e-Gov 商業登記法
  2. 消費税法第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)・第12条の2(新設法人の特例)・第12条の3(特定新規設立法人の特例。課税売上高5億円超または総収入金額50億円超) ― e-Gov 消費税法
  3. 健康保険法施行規則第2条(二以上の事業所に使用される場合の選択の届出・10日以内) ― e-Gov 健康保険法施行規則
  4. 厚生年金保険法施行規則第1条第2項(選択の届出・10日以内) ― e-Gov 厚生年金保険法施行規則
  5. 法人税法施行令第69条第1項第1号イ(定期同額給与の改定期限) ― e-Gov 法人税法施行令
  6. 商業登記規則第31条の3(代表取締役等の住所を記載しない措置。令和6年10月1日施行) ― e-Gov 商業登記規則
  7. 国税庁 法人番号公表サイト(所在地からの検索) ― https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
この記事を書いた人

株式会社Retraite(当サイト運営) ひとり法人を実際に運営している事業者です。個人名は公開していません。掲載内容は公式サイト・公式FAQ・法令の条文を確認日つきで引いて作成しています(編集方針)。

そのため、個別の税務判断や法律判断は書きません。制度の仕組み・金額・期限・手続きの順番までを、公式ページと法令だけを引いて整理しています。条文を引くときは e-Gov 法令検索の原文に当たり、条番号まで書きます。

比較記事に出てくるサービスのうち、実際に使っているのはバーチャルオフィス1社(レゾナンス)と法人口座1行だけです。使っているからといって順位を上げてはいません(レゾナンスは料金順で3位のまま)。→ 実際に使っているサービス/編集方針とデータ品質

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