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最終更新 2026/11/02 掲載サービス 16件(バーチャルオフィス11件(比較10社+京都の0円1件)・会計ソフト3件・銀行2件) 料金確認日 09/21〜10/10 更新履歴

小規模企業共済とは|ひとり法人・個人事業主の退職金と節税の仕組み

小規模企業共済は、小さな会社の役員や個人事業主が、自分の退職金を自分で積み立てるための制度である。掛金は全額が所得控除になり、受け取るときも退職所得や公的年金等の雑所得として扱われるため、働いているあいだの税の負担を抑えながら引退への備えができる。ただし、短い期間で解約すると掛け捨てや元本割れになる。この記事では、小規模企業共済の仕組み、加入できる人、掛金と税の扱い、注意点を、運営している中小機構と国税庁の記載をもとに整理する。

小規模企業共済は「経営者・役員・個人事業主の退職金制度」

小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する、小規模な企業の経営者や役員、個人事業主のための退職金の制度である(小規模企業共済法)。会社員の退職金のように引退後を支える仕組みが、自分で事業を営む人には用意されていないため、その代わりに自分で掛金を積み立てておく制度と考えるとよい。

積み立てた掛金は、事業をやめたときや会社の役員を退任したときに、共済金として受け取れる。毎月の掛金で少しずつ積み立て、引退の場面でまとめて受け取る流れになる。

加入できるのは小規模な会社の役員と個人事業主

加入できるのは、常時使用する従業員が一定の人数以下の個人事業主または会社の役員である。業種によって人数の上限が分かれており、建設業・製造業・運輸業・サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)・不動産業・農業などは常時使用する従業員が20人以下、商業(卸売業・小売業)やサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下が対象になる(中小機構の案内による)。

ここでいう「常時使用する従業員」には、法人の役員、事業主本人、家族従業員、臨時やパート・アルバイトの従業員は含まれない。従業員を雇わずに役員が自分だけで営むひとり法人は、常時使用する従業員が0人なので、役員は加入できる。従業員を雇っていない個人事業主も同じく加入できる。

法人をつくるかどうかを検討している段階の人は、個人事業主のうちに加入しておき、法人化したあとは会社の役員として契約を続ける形がとれる。個人と法人のどちらで事業を進めるかは個人事業主とひとり法人の損益分岐、法人化の見極めは個人事業主が法人化するタイミングで整理している。

掛金は全額が所得控除になる

掛金は月額1,000円から、500円単位で選べる。上限の範囲内で無理のない額を設定でき、加入したあとに掛金を増やしたり減らしたりすることもできる(掛金の範囲は中小機構の案内による)。

支払った掛金は、その年の分の全額が所得控除になる。国税庁のタックスアンサー「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」は、小規模企業共済法の規定によって中小機構と結んだ共済契約の掛金について、控除できる金額を「その年に支払った掛金の全額です」としている。生命保険料控除のように上限で頭打ちになる控除とは異なり、払った掛金がそのまま課税所得から引かれる。

所得が大きい年ほど、同じ掛金でも軽くなる税の額は大きくなる。役員報酬や事業の所得の額をどう決めるかとあわせて考える論点で、役員報酬そのものの決め方は役員報酬の決め方で扱っている。

受け取るときは退職所得または雑所得になる

共済金の受け取り方は、一括・分割・一括と分割の併用から選べる。税の扱いは受け取り方で変わり、一括で受け取る場合は退職所得、分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得として扱われる(中小機構の案内による)。

一括で受け取る共済金が退職所得になると、退職所得控除や2分の1課税といった退職所得の優遇が使える。退職所得の計算の仕組みは役員退職金とはで整理している。掛金を払うときに所得控除で負担を抑え、受け取るときも退職所得として軽い課税で受け取れる点が、この制度の節税の面になる。

短い期間で解約すると掛け捨て・元本割れになる

注意したいのは、加入してすぐに解約する場合である。加入期間が12か月未満で自己都合により任意解約すると、解約手当金は受け取れず掛け捨てになる。また、掛金を納めた月数が240か月(20年)に満たないうちに任意解約すると、受け取る解約手当金が払い込んだ掛金の合計を下回る、いわゆる元本割れになる(中小機構の案内による)。

ただし、これは自己都合の任意解約などの場合である。廃業や法人の解散、役員の病気・けがや65歳以上での退任、契約者が亡くなった場合などに受け取る共済金は、元本割れしない扱いになっている。目先の節税だけで大きな掛金を設定し、資金が足りなくなって途中で解約すると損が出やすい。無理のない掛金から始め、余裕が出てから増額する進め方がとりやすい。

ひとり法人は役員退職金と併せて使える

ひとり法人の場合、自分の引退に備える手段は小規模企業共済だけではない。会社から役員である自分へ役員退職金を支払う方法もあり、こちらは不相当に高額な部分を除いて会社の損金になる。小規模企業共済は役員個人が掛金を払って所得控除を受ける制度、役員退職金は会社が支払って損金にする制度で、両方を併せて使うこともできる。役員退職金の仕組みは役員退職金とはで扱っている。

個人事業主には、自分に役員退職金を支払うという仕組みがない。そのぶん、小規模企業共済が引退への主な備えになる。

引退への備え個人事業主ひとり法人(役員)
小規模企業共済加入できる加入できる(従業員なしの役員)
掛金の税の扱い全額が所得控除全額が所得控除
役員退職金仕組みがない会社から支払える(損金になる)
受け取るときの所得退職所得または雑所得退職所得または雑所得

制度だけで決めず、全体で見る

小規模企業共済は、掛金の所得控除と受け取り時の優遇があり、小さく事業を営む人の引退への備えとして使いやすい制度である。ただし、節税の効果だけを見て加入を決めるものではない。途中で解約すると元本割れになること、使えるお金が掛金のぶん手元から減ることも含めて、資金のゆとりとあわせて考えておきたい。

法人をつくるかどうか、どのくらいの利益から法人が有利になるかは個人事業主とひとり法人の損益分岐で試算でき、節税を主な目的に小さく法人を持つ形が向くかはマイクロ法人で整理している。住所を公開せずに会社をつくる方法はバーチャルオフィス比較で確認できる。掛金の額や加入の可否など個別の判断は、中小機構の窓口や税理士など専門家に確認する方法もある。

よくある質問

ひとり法人の役員でも小規模企業共済に加入できますか。

加入できる。加入の対象は常時使用する従業員が一定人数以下の会社の役員や個人事業主で、法人の役員は「常時使用する従業員」に数えない。従業員を雇わず役員が自分だけのひとり法人は、従業員0人なので役員が加入できる。

掛金はどのくらい節税になりますか。

支払った掛金はその年の全額が所得控除になる(国税庁タックスアンサーNo.1135)。軽くなる税の額は所得の大きさによって変わり、所得が大きい年ほど同じ掛金でも効果は大きくなる。上限で頭打ちになる控除ではなく、払った掛金がそのまま課税所得から引かれる。

途中でやめると損をしますか。

加入期間が12か月未満で任意解約すると掛け捨てになり、掛金を納めた月数が240か月に満たないうちに任意解約すると元本割れになる。ただし廃業や65歳以上での退任、死亡などで受け取る共済金は元本割れしない。無理のない掛金から始めるとよい。

役員退職金と小規模企業共済は両方使えますか。

両方使える。小規模企業共済は役員個人が掛金を払って所得控除を受ける制度、役員退職金は会社が支払って損金にする制度で、別のものである。ひとり法人なら会社からの役員退職金と個人の共済の両方で引退に備えられる。個人事業主には役員退職金の仕組みがない。

この記事を書いた人

株式会社Retraite(当サイト運営) ひとり法人を実際に運営している事業者です。個人名は公開していません。掲載内容は公式サイト・公式FAQ・法令の条文を確認日つきで引いて作成しています(編集方針)。

そのため、個別の税務判断や法律判断は書きません。制度の仕組み・金額・期限・手続きの順番までを、公式ページと法令だけを引いて整理しています。条文を引くときは e-Gov 法令検索の原文に当たり、条番号まで書きます。

比較記事に出てくるサービスのうち、実際に使っているのはバーチャルオフィス1社(レゾナンス)と法人口座1行だけです。使っているからといって順位を上げてはいません(レゾナンスは料金順で3位のまま)。→ 実際に使っているサービス/編集方針とデータ品質

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